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 いにしえの輝かしきクウェンティスの世から存在するという古びた小道。その途中に、こんもりと緑に生い茂る森があった。
 道とおなじか、あるいはそれよりももっと古くからある森で、人の子の棲み処より格別離れているというわけではないのに、足を踏み入れるものはいなかった。
 森に入ってはならない。
 それは村に代々伝わる掟で、炉辺では森に入ってゆくえ知れずになった大勢のものたちの話が大昔から語られていた。
 それをたんなる昔語りとかたづけて、森のまとう侵しがたい雰囲気をあえて踏みにじってやろうとするものもいなかった。
 依然として森は神聖にして不可侵の、あるいは魔をおびた邪悪な存在であって、人のかるがるしく触れてよいものではなかったからだ。
 村人にとって、森はまれびとのすまいであり、異界であった。


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