あとがきを書くのが難しい物語、というのがこの『蜃気楼の影』の自己評価。
論理的な思考をもって書いたものではなく、多分にいきあたりばったりというか、無意識が書いたというか、私の書き方はほとんどそうなんですが、これはその度合いがかなり激しかった。もともと構想した話から、そうはずれたところへ着地したというわけでもないのに、書きながらものすごく消耗したことを覚えております。
この話を書いていたのは、たしか大学生活も終わりのころだったんじゃないかと思います。
四年間、たいした学生ではなかった私ですが、もしかするとこの話が大学に通った証といえるかもしれない(苦笑)。この話のディテールは、たぶん大学で聞きかじったことがいろいろと混ざったり、発酵したりしてできたものだろうと思うからです。今考えるとね。
このあと、砂漠だの遊牧民だのがでてくる話は書いていません。四年で飽きたのか(苦笑)。
ところで、この話もOCRソフトで読みとったデータを一生懸命校正したものなのですが、けっこうぬかりがあって、見直すたびに変なところが出てきます。
すべて訂正したつもりですが、おかしなところを見つけたらお知らせくださると嬉しいです。(2000.12.3)